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春日井吾一

Author:春日井吾一
多重債務に陥ったサラリーマン。破綻した生活に耐え切れず、弁護士に任意整理を依頼することになりました。その過程および借金に対する考察等を綴ります。

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借金における実力値

人にはそれぞれの実力値というものがあり、それを計るための杓子というか汎用的フォーマットのようなものが存在します。昔ながらの表現を用いて非常に大まかに分けるなら、心・技・体と言ったところでしょうか。現代にそれを当てはめるなら、それは体力であり、知力であり、物事に対する姿勢や見識といった感じになると思われます。いずれにしても、そのレベルの上下によって周囲からの評価も上下し、その評価がそのまま自分の価値となる。これが人間社会の現実というものでしょう。現実の実力値の他に、内に秘めたるポテンシャルというものも存在しますが、発揮されないポテンシャルはその時点では無価値。ゆえに評価の対象にはなりません。

そのような人間評価の大前提を踏まえた上で借金を考えると、やはり借金にも実力値というものがありありと存在することに気付きます。その人の資産の質量、収入の多寡、その収入の安定性…。それらを総合的に踏まえたものが即ち借金における実力値であり、それは端的に支払能力と言い換えることも出来ます。その支払い能力を元に、見合った金を貸していく。これが借金の真っ当な流れであり、ある意味鉄則中の鉄則でしょう。結局のところ、サラ金問題が後を絶えないのも、この鉄則をサラ金業者が遵守してないからです。要するに彼等は、実力値に見合わない金を、支払能力を超えた金を貸しているから今こうして世間の非難を浴びているという…。いわば身から出た錆。金を借りた方がそうなら、貸した方もまた災いを自ら呼び寄せているわけです。金は天下の回りものだけに、それに関わる人間達もまた不幸なスパイラルを展開しているとは、笑えるようで笑えない構図ですなぁ…。

前置きが長くなりましたが、一昔前は「ジャンジャン借りて」とばかりに宣伝していたサラ金が、今さら「ストップ借りすぎ」とかCMで流したところでもう遅い。事態は完全に消費者寄りで覆すことなど出来ないのだから、そんなわざとらしいことしてないでさっさと消滅するが良しという感じです。そして一人でも多く一刻も早く、キャッシングほど馬鹿げたものはないと消費者が気付くことを願います。自分の実力値をわきまえることが、着実な幸せへの第一歩だと胸に刻みながら…。

それにしても、僕の実力値はどのくらいだったのでしょう。借金したての頃は普通に返せてたのに、いつのまにか支払いがきつくなり、結局は任意整理という結末。どこで自分の実力値を超えたのでしょうか。大まかに思い返していくと…。

始まりは学生時代。大学1年か2年の時に学生ローンで5万借りたのがスタートです。その時は利子が1500円くらいだったので余裕で払えてました。それが10万となった時も、一月3000円の返済なのでまだ安心感はありましたね。だけど月日を経るごとに利息しか返せない、返さない自分にちょっと猜疑心を抱き始める。2件目、3件目と増えて行った時には、正直不安で仕方なかったと思います。結局、貧乏な学生時代を卒業する頃には4社10万、10万、15万、10万の合計45万という借金を背負っていたはずです。利子だけで毎月15000円くらい、しかもそれでは利子が減らない。これは若すぎる自分にとって戦々恐々ものだったでしょう。結局、全てを返済しきれずに就職を迎えてしまいました。学生という身分で見るならば、2件目を借りた時点くらいが多分、僕の実力値だったと思います。

その学生時代の借金を持ち越しての社会人生活。決して安くない定期収入が入るようになったため、学生時代の借金は僕の限界値ではなくなりました。つまり、実力値がアップしたことになります。だけどそこで全て返せば良いのですが、僕はこの実力値アップを借金額アップのチャンスと捉えてしまったんでしょうね。入社したてですぐさまサラ金に走った度胸は、他の同期生の追随を許すところではありません。だけどそれは度胸でなく無知、無謀であるということを、その内僕は思い知らされるのでした…。

学生時代の残りが20万くらい。社会人初っ端で○コムから50万。そして現実を見ない僕はトントン拍子でその額を増やすことになり、社会人4年目にして○コム50万、○富士50万、ア○ク30万、ア○ル50万、あと銀行から数十万という形で200万オーバーの借金を背負い、しかもそれを一向に返せないという状況に陥ったのです。もうこの時点で完全に実力値を超えてますね。何しろ年収の半分以上だったので…。でも、あくまで客観的に考えるのなら、最初の○コムくらいは返済する能力はあったのだと思います。

そんな感じで、元金が減らない自転車操業を繰り返し、ようやく到来した任意整理の時。既に社会人として9年が過ぎており、世が世なら世の中を背負う立派な中堅仕事マンです。だけど僕の社会人のステータスとしては何よりも先に多重債務者というパラメータが出てくるでしょう。それほどに、この属性と人生を共にしてきたのです。元金は400万まで増大し、年収とさして変わりがないという死亡寸前の状況の中、ようやく決着をつける決心をしたわけです。この時の勇気を考えたら、○コムのATMに入った時の度胸など霞んで消える存在です。

借金をしたという選択は、間違いなく僕の人生を大きく変えました。本来あったであろう実力値やポテンシャルを食いつぶしながら…。しかし、任意整理という選択もまたそれに負けないくらい人生を変えるもの。そう信じたいものです。今度こそ今まで殺されてきたポテンシャルを開放できるように…。
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久しぶりです

その気持ちが分かりますね、ここに書かれてる事は同じ境遇にいる方でないと多分理解出来ないでしょうね、無借金の方では、分かったつもり程度しか、この気持ちが分からないでしょうね。自分も最終的には年収の1.5倍くらいになっていました、どう頭を使っても数ヵ月後には資金ショートする事が明確になった時、夜も寝れなくなり死にたいって本当に思いましたもんね、両親の事を思うと出来ませんが、愛情を受けて育ててもらった自分は、そんな親不孝なんか出来ませんからね。
先日司法書士から連絡があり、何とか話がついたそうです、2月から5年間で返済する事になりました。
完済して親孝行したいものです

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